診療案内
肛門疾患の治療
痔核(いぼ痔)の治療
「なるべく切らずに治す」(保存的治療)が基本です。痔核が排便時も肛門の外に出てこない、
出てきても自然に肛門内へ戻るもの(Ⅰ、Ⅱ度)、急性的痔核(血栓性外痔核)であれば保存的治療や外来処置で治ります。
保存的治療
「なるべく切らずに治す」(保存的治療)が基本です。
生活習慣の改善 |
入浴、姿勢、飲酒 など |
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排便習慣の改善 |
便秘、下痢、いきみ |
薬による治療 |
肛門の腫れ、炎症、痛みを抑える薬、便秘・下痢を整える薬(座薬、軟膏、内服薬) |
外来治療(中間的治療)
手術と薬物治療の中間に位置するのが外来での処置です。外来で処置を行うので、すぐに帰宅できます。
ゴム輪結紮法 |
内痔核の根元に輪ゴムをはめて1週間程で壊死、脱落させます |
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硬化療法(注射療法) |
痔核の粘膜下に薬を注入し痔核を固めることで出血、脱出を改善します |
血栓除去 |
血栓性外痔核に対し、局所麻酔をして切開し血栓を取り除きます |
手術療法
脱出を繰り返し、自然には戻らず、手でもどす(Ⅲ度)、
痔核が肛門の外に常に出ている(Ⅳ度)状態になれば、手術が必要になります。
結紮切除術 |
血管を根元でしばって(結紮)痔核を切除します。 |
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入院期間は、痔核の程度と患者さまの事情により、日帰り・2〜3日程度です。筋肉は切らないので、肛門の締まりが悪くなることはありません。
「ジオン注射」療法
従来であれば手術の対象となっていた重い痔核も注射で治療できるようになりました。
裂肛(切れ痔)の治療
裂肛(切れ痔)の原因は便秘や下痢です。初期の裂肛は、傷を治す薬、出血を止める薬や便秘を防ぐ緩下剤の服用で治ります。
慢性化し肛門が狭くなっている場合は肛門を広げる処置や手術が必要です。
重症度 | 軽症(急性期) | 中等症 | 重症(慢性期) |
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症状 | 浅く切れている | 肛門が広がりにくい | 肛門の狭窄・瘢痕化で便が出にくい |
治療 | 外来(保存療法(薬)) | 外来(用手拡張・内括約筋切開) |
入院 手術(肛門拡張術(皮膚弁移動)) |
裂肛は特に女性に多く見られます。便秘、下痢、肛門周辺の結構を悪くする長時間の座位や身体の冷え
は、裂肛の大きな原因です。
痔瘻(痔ろう)の治療
痔瘻は薬だけでは完全には治りにくく、手術で治す必要があります。
重症度 | 膿瘍期(肛門周囲膿瘍) | 慢性期 |
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症状 | 肛門のまわりに膿がたまって痛みや熱がでる状態 | 痛み・膿の排出を繰り返す |
治療 |
外来処置 (切開排膿) |
手術 (シートン法・瘻管開放術・括約筋温存手術) |
外来治療
膿瘍期(肛門周囲膿瘍)肛門のまわりに膿がたまって痛みや熱がでる状態です。
切開排膿 (外来での処置) |
切開して膿を出すことで、症状は治まります |
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以前、肛囲膿瘍は全て痔瘻(痔ろう)になると考えられ初期に手術が行われていましたが、最近では痔瘻化するのは35%~50%といわれていますので、すぐに手術とはなりません。
手術療法
痔瘻(痔ろう)になり、痛み・膿の排出を繰り返す場合は手術が必要です。程度に合わせた方法で行います。
シートン法 | ゴムやひもを痔瘻の穴に通して縛り、時間をかけて瘻管を切開します。 |
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ろう管開放術 | ろう管(膿の管)を切開または切除します。浅い痔瘻に行います。 |
括約筋 温存手術 |
括約筋を貫いてできる深い痔瘻に行います。括約筋をできるだけ残してろう管をくりぬいて切除 し、一次口(細菌の入り口)を縫合閉鎖して細菌の侵入を防ぎます。 |
「痔瘻は手術しても再発する」「肛門の締まりが悪くなり便が漏れるようになる」と心配される方がいますが、専門医が手術しますので決してそんなことはありません。
※但し、一定の再発があり、重症であるほど再発率は高くなります。